壱岐のその他の自然
 


青い海、緑の山。

のどかな田園風景。

それが壱岐。

壱岐は小さな島。

でもそこには豊かな自然がたくさんあります。

のんびり、ゆっくり過ごすことができる島。

それが壱岐の島です。

ここでは、そんな壱岐の自然の中のいくつかを紹介しましょう。







照葉樹林

弥生時代に書かれた「魏志倭人伝」のなかに、壱岐は「竹林」が多いとあります。

壱岐では、古代から豊かな自然に恵まれていたことが分かります。

5月になるとその竹林がいっせいに芽吹きます。

写真の左は「スダジイ」、右は「クス」の木々の新芽です。

これが、日光を浴びると、きらきらと輝き、周辺はあざやかな色になります。





右の写真は秋の紅葉ではありません。

春の若葉の季節の写真です。

黄緑、黄色、赤色など、鮮やかな景色です。

春先になると壱岐では、いたるところにこのような景色が見られます。

新緑が萌(も)える春の山という言葉がぴったりです。

ウグイス、ホトトギス、カラス、ヒヨドリ、台湾リスなどの鳴き声も聞こえ、それはそれはとてもにぎやかです。

茶色ぽく見えるのはシロダモの木の芽です。

木立の中を歩くと、木々が出すフェロモンがあふれていて、むせかえるような香りが漂います。




猿岩

壱岐の猿岩参照




ゴリラ岩

上の写真の猿岩と向き合っているのがこのゴリラ岩。

とがった頭、くぼんだ目、笑っているようにも見える愛きょうのある口元。

歯もちゃんと付いています。

沖を行く漁船をじっと見ているようにも見えます。

素材は猿岩と同じで、玄武岩でできています。

玄武岩は壱岐を代表するどこに行ってもある岩です。

この、ゴリラ岩、実は猿岩の方向を向いています。

ゴリラ岩の周りはどこまでも続く平原。

とても良いところです。

このゴリラ岩、頭の左半分をよ〜く見てください。

鬼の顔のようにもみえます。

鬼の顔のように見えない人は壱岐に実際においでになって、よ〜く観察してください。

ゴリラ岩周辺の詳しいお話しは、渡良半島散策をご覧下さい。



太郎礫(たろうつぶて)・次郎礫(じろうつぶて)

鬼伝説

むか〜し、むかし。

壱岐の島は鬼ケ島と呼ばれておった。

そこには、悪毒王という鬼の大将を中心にして、何万という鬼が住んでいて、人間に悪いことばかりをしていたそうな。
 
鬼たちの悪さは、筑紫に住んでいた百合若大臣という武士の耳にも入って、百合若大臣は壱岐に鬼退治に来たそうな。

さあー、鬼たちと百合若大臣との戦いが始まった。

先ず、鬼の太郎が大石を大臣に向かって投げつけた。

大臣はこの大石を鉄の扇で跳ね返した。

この石を太郎礫(たろうつぶて)というそうな。

次に、鬼の次郎が、「よ〜し、こんどは俺が。」、といって別の大きな石を大臣に投げつけたそうな。

大臣はこの石も鉄扇で跳ね返した。

この石を次郎礫(じろうつぶて)というそうな。

上にある2つの大石が太郎礫、次郎礫といわれている大石だぞな。

周辺は50m近くもある断崖絶壁です。

先端まで行くと足がすくみます。

猿岩の近くにあります。

ここでゆっくり大事な人と過ごしてみてください。

今までよりも、さらに一段と深い関係なれること間違いありません。

鬼伝説について、詳しいことは、壱岐の昔話 壱岐の鬼伝説参照。

そなれ

ハマヒサカキの木です。

右側が海岸です。

海岸からの、強風で、木の枝がみんな、反対方向に、ねじ曲げられています。

自然の厳しさを感じます。








洗濯

ちょっと、写真では、見にくいのですが、小さな川が流れています。

とてもきれいな水です。

この水で洗濯をすると、すぐに乾くという、言い伝えがあります。












観音岩

 これは何でしょう?
 
大きな土台石の上に小さな石がのっかっています。

この岩は「観音岩」と呼ばれていて、江戸時代に書かれた有名な本の中にも紹介されています。

え?  何? 観音様には見えないって?  

そうなんです。

実は、この岩、海上から見ないと観音様には見えません。

この写真は丘の上からとっているので、実は観音様を後ろから見ていることになります。

でも、頭に冠をかぶっているようにも見えますし、それなりに観音様には見えないこともありませんね。

夕日がさすと、金色に輝いて見えるそうです。

頭の頂上には、海鵜が巣を作った跡があります。

猿岩の近くにあります。


左京鼻

壱岐の左京鼻参照



初瀬(はぜ)の岩脈


地殻変動

壱岐は、学術的に見ても珍しいくらい、火山活動が多い島だったことが最近の研究で分かってきました。

古代には、島のあちらこちらで、模擬写真のような火山活動が盛んでした。

島全体が、火山の島だった、と言っても過言ではありません。











玄武岩

右の写真を良く見ると、周りの白っぽい流紋岩(りゅうもんがん)に挟まれて、黒っぽい玄武岩があるのが分かります。

そうです。

これは、最初の火山活動によってできたものです。

まず、火山によって、白っぽい流紋岩が噴き出しました。

その後に、2回目の火山活動があり、そのときに地下から上がってきた玄武岩が最初にあった流紋岩の断崖を突き破り、まっ2つにさいてしまいました。

黒っぽく見える玄武岩の幅は20〜28mあります。

大きな玄武岩が大きな流紋岩を突き破ってこのような断崖になりました。

自然のダイナミックな営みが良く観察できる場所です。

海岸には丸い小さな岩石がたくさん散らばっています。

高さはおよそ41mあります。

周辺の海岸では、磯船が泊まって漁をしているのが観察できます。

初瀬の岩脈については、昔から伝わっている伝説があります。

詳しくは、神社「鏡岳神社」参照。



流紋岩(りゅうもんがん)

左の写真を良く見てください。

上の初瀬の岩脈とどこが違うでしょうか。

右の断崖で、灰色の黒っぽい岩石は玄武岩です。

真ん中に、やや赤っぽい岩石がみえます。

これは流紋岩です。

つまり、この断崖では、流紋岩が玄武岩に挟まれているということになります。

上の、初瀬の岩脈では、玄武岩が流紋岩に挟まれていました。

ちょうど、逆の光景になります。

自然の営みというのは人間の力では計りしれないようなものばかりです。

このような地層は壱岐の島にたくさんあります。

右の断崖で横に伸びている灰色っぽい玄武岩の地層は壱岐では代表的な地層です。

壱岐の島は、ちょっと掘れば、このような玄武岩の地層に突き当たります。



海豚鼻(いるかばな)

右の写真の場所は壱岐では最南端の場所です。

地図で見ると海豚の鼻に似ていることからこの名があります。

岬の先端には2つの穴があります。

イルカの巣といわれています。

ここに立って遠くを見ると、平戸、大島、九州本土が見えます。

バス停を降りて平原を渡ればこの岬に出ます。

途中には、アケビやグミの実がたくさんあって目を楽しませてくれます。

ただ、下をよく見て歩かないと、牛のふんがたくさん落ちています。

牛のふんの上に乗っかってすべってころんでも責任はもてませんよ。

灯台もあってなかなか雰囲気のある場所です。

夕日がきれいな夕日スポットでもあります。

平原に座って、じっと鳥のさえずりや波の音を聞くのもいいものです。

海豚鼻の周辺は、このように、ゴツゴツした、玄武岩の岩石が露出しています。

石の表面は、長い間にわたる、風雨によって風化され、蜂の巣のようになって、虫食い岩の状態になっています。

右側の写真は、海豚鼻からの見晴らしです。

遠くには、島影も見えて、ここに座っているだけでもいやされますよね〜。










岳の辻

壱岐の岳の辻参照



壱岐の土台石

壱岐の土台石参照





青嶋公園


最長

この橋を渡ると青嶋公園です。

青嶋という無人島にあります。

ちょっと前までは人が住んでいましたが、無人島になったので、ここに九州電力が発電所を建設しました。

この橋は、青嶋大橋といって、壱岐では一番長い橋です。

315mあります。

島には、多目的グランドやテニスコート、ゲートボール場、アスレチック広場があります。

地元の人は子供連れで良く遊びに来ています。

展望台もあって原の辻遺跡と関係の深い内海湾(うちみわん)や八幡浦をまじかに見ることができます。

橋ができる前は、天国のような島でした。

魚や貝類が豊富で、毎日魚釣りや磯遊びができたものでした。

もちろん、電気はなく、ランプで生活していました。

麦、大豆、芋、スイカなども栽培していました。


電気

向こうに見える煙突は、発電所の煙突です。

実は、この発電所、煙が全く出ない発電所として有名で、韓国などからも視察団が訪れています。

煙が出ないのは、中央制御でエンジンの状態を良好に保っているからです。

壱岐の電力の90%はここでまかなわれています。


信仰

この島にある神社で青嶋神社といいます。

壱岐には神社が1000を超えるといいますがこの神社も小さいながらも、地元の人が信仰しているのでしょう。















ハマユウ

右の花はハマユウです。

この島にたくさん自生しています。

夏になるとこのように白い花が咲きます。

香りもとても良い花です。














ナンジャモンジャ

左の写真で、木に咲いている花はヒトツバタゴの花です。

壱岐では、ナンジャモンジャの木といっています。

花は十文字の白い花です。

このヒトツバタコの木は対馬が自生地で、壱岐にあるのはとても珍しいといわれています。

4月下旬から5月上旬に満開になります。










六郎瀬鼻(ろくろうせばな)

壱岐のステゴドン象参照