壱岐の土台石
壱岐の土台石 |
古代 |
4500万年以上も前、壱岐の島だけでなく、日本中が海底にありました。
海底では絶えることなく、水の流れがあり、その海流が泥や砂、小石を運び、海底に積み上げていきました。
その海底に積もった地層が、地殻変動で、隆起し、右の写真のような風景を造りました。
そうです。
この断崖は海底が隆起してできたものです。
壱岐では一番古い地層です。
2500万年以上も前にできたといわれています。
長さが4km〜6kmあります。
高さは50mです。
砂岩と頁岩(けつがん) |
左の写真は上の写真の拡大図です。
良く見ると、茶色っぽい色と灰色の部分が交互に重なっているのが見えます。
茶色っぽい部分は、砂がたまって固まってできたもので砂岩といいます。
灰色の部分は、泥が重なってできたもので頁岩(けつがん)と呼んでいます。
頁岩は皆さんたちが習字のときに使うすずりの原料になるものです。
一枚一枚が薄く、はがれやすく、ぼろぼろと崩れる性質があります。
写真の下の方に、崩れた頁岩がたまっているのが分かると思います。
このように壱岐の島は、砂岩と頁岩とが交互に重なり合ってできた地層の上に、火山でできた玄武岩が重なってできあがっています。
この断崖からは、植物や二枚貝の化石も発見されています。
又、ウニやカニの化石も頁岩から見つかっています。
右の写真は頁岩が崩れて足元に積み重なったものです。
確かに、習字で使うすずりにそっくりです。
左の写真も、砂岩が崩れて足元にたまったものです。
これが固まって砂岩の地層を作って、壱岐の土台石になっているのですね〜。
1枚1枚は弱くてもろいけど、固まれば、土台石になるほどに強くなる。
人間の世界もこうありたいものです。
磯場 |
土台石の周辺は魚貝類が豊富です。
潮時になると、ご覧のように、たくさんの人たちが漁に出ます。
ウニ、ヒジキ、アワビ、アオサ、サザエなどたくさんとれます。
もちろん、密漁は禁止です。
正式の観察を持っている人たちだけが漁をできます。
天然記念物 |
これは、国指定の天然記念物のハイビャクシンです。
上の土台石にくっついています。
ハイビャクシンは九州から朝鮮半島にかけて分布しているもので、海岸の崖地や砂地に生えています。
ヒノキ科の常緑針葉、裸子植物、低木で、風当たりが強くて他の植物が生えてこないような断崖や砂浜に地面をはうように群落しています。
分布の少ない大陸系の植物で貴重なものです。
国の天然記念物に指定されています。
写真でもお分かりのように、断崖に沿って、放射状に地面をはいながら広がっています。
枝先は下に垂れ下がっています。
上には伸びて行かないのでしょうか?
このような群落は壱岐だけのもので、他県ではほとんど見ることができません。
乾燥やに強く、潮風に強いので、都会では生垣や垣根を作るために植えられています。
辰の島にもハイビャクシンの群落があります。