壱岐の珍岩・奇岩
壱岐は、少しでも、穴を掘ると、玄武岩という岩石に突きあたります。
壱岐の海岸は、この玄武岩で囲まれています。
ここでは、そのような石の一部をお話します。
猿岩 |
壱岐の猿岩参照
玄武岩の柱状節理の典型です。
古代、壱岐が流されないように、くくりつけていた七本の柱の一本です。
ゴリラ岩 |
上の写真の猿岩と向き合っているのがこのゴリラ岩。
とがった頭、くぼんだ目、笑っているようにも見える愛きょうのある口元。
歯もちゃんと付いています。
沖を行く漁船をじっと見ているようにも見えます。
素材は猿岩と同じで、玄武岩でできています。
玄武岩は壱岐を代表するどこに行ってもある岩です。
この、ゴリラ岩、実は猿岩の方向を向いています。
ゴリラ岩の周りはどこまでも続く平原。
とても良いところです。
このゴリラ岩、頭の左半分をよ〜く見てください。
鬼の顔のようにもみえます。
鬼の顔のように見えない人は壱岐に実際においでになって、よ〜く観察してください。
ゴリラ岩周辺の詳しいお話しは、渡良半島散策をご覧下さい。
太郎礫(たろうつぶて)・次郎礫(じろうつぶて) |
鬼伝説 |
むか〜し、むかし。
壱岐の島は鬼ケ島と呼ばれておった。
そこには、悪毒王という鬼の大将を中心にして、何万という鬼が住んでいて、人間に悪いことばかりをしていたそうな。
鬼たちの悪さは、筑紫に住んでいた百合若大臣という武士の耳にも入って、百合若大臣は壱岐に鬼退治に来たそうな。
さあー、鬼たちと百合若大臣との戦いが始まった。
先ず、鬼の太郎が大石を大臣に向かって投げつけた。
大臣はこの大石を鉄の扇で跳ね返した。
この石を太郎礫(たろうつぶて)というそうな。
次に、鬼の次郎が、「よ〜し、こんどは俺が。」、といって別の大きな石を大臣に投げつけたそうな。
大臣はこの石も鉄扇で跳ね返した。
この石を次郎礫(じろうつぶて)というそうな。
上にある2つの大石が太郎礫、次郎礫といわれている大石だぞな。
周辺は50m近くもある断崖絶壁です。
先端まで行くと足がすくみます。
猿岩の近くにあります。
ここでゆっくり大事な人と過ごしてみてください。
今までよりも、さらに一段と深い関係なれること間違いありません。
鬼伝説について、詳しいことは、壱岐の昔話 壱岐の鬼伝説参照。
観音岩 |
これは何でしょう?
大きな土台石の上に小さな石がのっかっています。
この岩は「観音岩」と呼ばれていて、江戸時代に書かれた有名な本の中にも紹介されています。
え? 何? 観音様には見えないって?
そうなんです。
実は、この岩、海上から見ないと観音様には見えません。
この写真は丘の上からとっているので、実は観音様を後ろから見ていることになります。
でも、頭に冠をかぶっているようにも見えますし、それなりに観音様には見えないこともありませんね。
夕日がさすと、金色に輝いて見えるそうです。
頭の頂上には、海鵜が巣を作った跡があります。
猿岩の近くにあります。
阿保の滝 |
断崖絶壁の頂上に、ポツンと、一つだけ乗っかっている大きな石。
断崖の高さは30m以上はあります。
地震が来ても、台風が来ても、落ちることなく、どっしりと座っています。
沖行く船を、何百年、何千年と見てきているのでしょう。
周辺は、物音一つしない、静かな場所、海鵜が羽を休めています。
とても、いやされる風景です。
赤瀬鼻 |
どこまでも続く、赤い岩をした海岸風景。
長い年月の経過とともに、周辺の柔かい部分は、削り取られ、今は、このように、ゴツゴツした岩だけに、なりました。
植物も育つことなく、何物も寄せ付けない雰囲気があります。
遠い昔、壱岐が火山島であったことを、示しています。
近くに、男岳山という山があって、その山の噴火によって、溶岩が海岸に流れ落ち、溶岩の中に含まれている鉄分が酸化して、このように赤くなりました。
神功皇后が、お産をした時に、このように赤く染まったともいわれています。
羽奈毛崎 |
屏風のようにそそり立つ60m〜100mの断崖。
上から下を見下ろすと足がすくみます。
ここには、断崖の裂け目の岩肌に浮き出て見える羽奈毛観音がいます。
観音様は、青い色をした岩でできていて、人が作ったものか、波と風で自然に出来たものか分かりません。
ただ、この観音様は、正直な人にしか姿が見えないそうです。
外人岩 |
鼻の高い、外国人がじっと、沖を見つめています。
頭には、海鵜の巣があり、また、糞で白くなっています。
古代、ここに、一そうの唐船が遭難し、漂着したところでもあります。
周りは、水産資源の宝庫で、さざえ、あわび、うになどが豊富にとれます。
夏には、海女さんがもぐって、漁をしています。
初瀬の岩脈 |
壱岐が、古代に火山島であったことを表している風景です。
火山によって、地下にあった、玄武岩が溶けて上昇し、それが冷やされて、かたまりました。
周りの岩石は、流紋岩で、その流紋岩を押しのけて、地下から上昇してきました。
自然のドラマのスケールの大きさには、驚かされます。
人面石 |
弥生人が、お祭りか占いの時に、使用していたのではないか、と考えられています。
ムンクの叫びが思い出されます。
口の部分は、貫通しています。
目、鼻、口もそろっていますが、耳はありません。
長さはおよそ10cm。
何を考えているのでしょうか?
印通寺港 |
荒々しい、海岸風景です。
頂上には、身投げ石と呼ばれている、大きな石もあります。
隣は、唐津からのフェリーが入港する印通寺港です。
静かな、港の風景とは、対照的な、男性的な光景です。
火山活動によって、流れ出た溶岩に含まれている鉄分が酸化して、赤くなっています。
私の好きな場所の一つです。
マンモス岩 |
長い鼻を、どっしりと海中につけて、水を飲んでいます。
自然が造った、造けいとはいえ、素晴らしい彫刻です。
長い間の風化によって、このような形になりました。
これから、沖の方に出て、水浴びでもするのでしょうか。
虫食い岩 |
蜂の巣のような、小さな穴がたくさん開いています。
海岸に吹き付ける、激しい風雨によって、このような形になりました。
和歌山県にも、このような岩があります。
周りの岩は、何ともなっていませんが、この岩だけが、虫食い状態になっています。
自然の力に乾杯です。
狼岩 |
ちょっと、画像が小さいので、見づらいかもしれません。
しかし、突き出た長い口、耳もきちんとついています。
コバルトブルーの海の色や松の緑と、バランスよく調和しています。
それにしても、静かな風景ですねぇ。
白滝 |
古代から、ずっと続いている、修験者の修業場です。
玄武岩の絶壁が続いています。
上るための鎖もあります。
何回か、上ろうと、挑戦しましたが、途中で下を見下ろすと、足がすくみ、下りようと思っても下りることに、難儀したこともあり、まだ、頂上まで行くことができません。
頂上は、どのようになっているのでしょうか?
鬼の足跡 |
壱岐には、鬼の足跡と呼ばれている場所が2個所あります。
どちらも、このように、大きな穴が、ポッカリと開いています。
穴の近くまで来て、下を見下ろすと、めまいがします。
足場も、けっこう不安定なので、必要以上には、近寄らないでください。
でも、怖いもの見たさの誘惑には、負けます。
下までおりて、穴から、海を見ると、どんな感じになるのでしょうか?
鷲岩 |
大きな鳥が、沖の方をじっと見つめています。
餌の魚を探しているのでしょうか。
それとも、沖行く船を見守っているのでしょうか。
自然が造った、すばらしい彫刻です。
周りの石もとても、大きく、圧倒されます。
牛岩 |
大きな牛が、向こうの方を向いて、丸くなって、寝ています。
隣には、昔、牛の爪きり場や種付け場として使用していた設備もありました。
どこからか、持って来たわけでもないと思われますので、偶然の一致でしょう。
壱岐は、良質の肉がとれる、壱岐牛の大産地でもあります。
大規模な牛舎で飼育している農家も、増えてきています。
反面、高齢化により、牛の飼育を止める農家も増えています。
鯨石 |
壱岐は、江戸時代に、鯨がたくさんとれました。
和歌山県の太地の方からも来て、鯨をとっていたほどです。
鯨を一頭とれば、壱岐の七浦がうるおう、といわれたくらい、捕鯨産業は一大産業でした。
古代の鯨捕りのようすを描いた線刻画のある古墳も、壱岐には数か所あります。
顎かけ石 |
壱岐の真ん中にあります。
ここには、壱岐の真ん中を表している、へそ石と呼ばれている石もあります。
石の柱の途中にくぼみがあって、ここを訪れた人たちが、このくぼみにあごをかけて、身長の高さを競ったといいます。
古代の身長計とでも、いうのでしょうか。
中世から、ここでは大きな市が開かれ、たくさんの人たちが群をなして、集まった場所でもあります。
近くには、国分寺もありました。
地殻変動 |
その昔、壱岐の中心を南北に、大きな川が流れ、その川によって、壱岐は二つに分かれていました。
中世、大地震があり、その川が小さくなって、壱岐は一つになりました。
この写真は、壱岐が二つに分かれていた名残りを表しています。
左右に、大きく割れているこの場所は、地殻変動の偉大さを改めて、教えてくれます。
亀石 |
その昔、川をはさんで、壱岐が二つに分かれている頃のお話です。
一匹の亀が、神社にお参りするために、海から、この川を上ってきました。
ところが、潮が引いてしまい、亀は、海に帰れなくなり、そのままかたまり、石になってしまいました。
それにしても、良く似ています。
壱岐に、亀石という場所がありますが、そこにある亀石よりも、よく亀に似ていますねぇ。
蛙石 |
我家には、最近、ガマガエルがいすわって、夜になると庭中を歩き回っています。
よく、蛇に食べられないものだと、不思議に思っています。
画像の石は、神社の境内にあります。
先日、草刈りをしていたら、突然、草むらの中から、大きなガマガエルが飛び出してきて、しばらくは、逃げ回っていましたが、そのうち、あきらめたのか、座り込んでしまい、逃げるのを止めてしまいました。
あまり、怖いことが長く続くと、その場に座り込んでしまうものなのですねぇ。
まさに、蛇ににらまれた蛙、ということでしょうか。
不産女石(うまづめいし) |
江戸時代に書かれた、本のなかにも、この石の話しが出てくるのて、その意味では、有名な石なのでしょう。
女性が、この石の上に座ると、子供が生まれなくなるという、言い伝えがあります。
逆に、妊娠を望まない、女性がこの石の上に座る、ということもあります。
蛇が谷 |
長い間の風化でこのような垂直的の柱状節理の断崖絶壁になりました。
ところどころに縦の裂け目があり、それが年輪を感じさせます。
高さは約60mあります。
まさに自然が作り出した造形美です。
近寄ると、足がすくみます。
宮殿跡 |
古代の神様たちが、ここに集まり、会議をしました。
柱の跡や、住んでいた穴もたくさん見えます。
ブルーの海、緑の松、荒々しい玄武岩、うまく調和がとれています。
530万年前 |
この海岸には、このように黒々とした石がたくさんあります。
この石は、壱岐の海岸ではよく見かけられる石で、玄武岩です。
しかし、この海岸にある玄武岩は、今から、530年前に、火山の噴火で、吐き出された岩石です。
長い間、風雨に、さらされ、このような地形が造られました。