鬼の窟古墳(おにのいわやこふん)
鬼の窟古墳 |
最大 |
小さな壱岐の島にこんなに大きな古墳。
鬼の窟古墳(おにのいわやこふん)といいます。
鬼でもなければこのような大きな石は運ぶことができないだろうということでこの名がつきました。
今、まったく同じものを造るとすれば、数億円はかかるといれています。
円墳です。
壱岐には円墳が200個くらいあったといいます。
しかし、半分以上なくなってしまいました。
横穴式石室では長崎県では最大、九州では第2位。
1位は福岡県福津市にある宮地獄(みやじだけ)大塚古墳。
全国では12位。
1位は奈良にある丸山古墳です。
入口 |
右の写真はこの古墳の入り口です。
入り口のところにふたがしてあります。
横穴式石室の場合は、1回使用しても、その後、身内の人が亡くなったら、このふたを開けてまた遺体を埋めたと考えられます。
それにしても、この石のふたを再びはずすのも大変な作業です。
鬼の窟古墳は、江戸時代から入り口のところにたくさんの落書きがしてあって、落書きの多さでも有名な古墳です。
石室 |
これは、入り口から内部をのぞいたものです。
部屋が3つに区分されているのが分かります。
3室とも同じ高さです。
一番奥の部屋が遺体が置かれていた部屋で、この部屋を玄室といいます。
玄室は、他の部屋と違って一段高いドーム状の天井になっています。
入口から奥壁までの長さは全長16.5m、高さは3.5mもあります。
横穴は、産道を意味しているといわれ、再び命が生まれてくるように願って造られています。
内部は、1辺2mを超える巨大な玄武岩を何個も積み重ねて造られています。
一番大きな石は1辺が4mの巨石もあります。
天井の石は平成元年に修復しました。
玄室 |
右の写真は一番奥の玄室です。
小さな観音様が置いてあります。
心ある地元の人が置いたものでしょう。
この部屋は縦、横がほぼ3mもある正方形の部屋になっています。
高さは3.3mあります。
組み合わせ式の石棺が置かれていました。
地面に、板石が何枚か放置されています。
石棺の一部かもしれません。
昭和28年に調査が行われ、そのときに、須恵器(すえき)、土師器(はじき)、鍍金つば、鉄鏃(てつぞく)、馬具、鈴などが出土しました。
発掘されたときには、盗掘がひどく、たいしたものは残っていなかったといいます。
これだけの規模の古墳ので、相当な価値のある物が埋められていた可能性があります。
墳丘 |
左の写真は、鬼の窟古墳を後ろから見たものです。
墳丘の表面にはたくさんの木が生えています。
木の根が古墳の内部の石を壊しはしないかと心配です。
外側の直径は約45m、高さ約13mあります。
墓地 |
鬼の窟古墳の周辺には、古そうな墓がたくさんあります。
どのような人の墓なのか良く分かりません。
もともとこの周辺は墓地だったのかもしれません。
もっと良く調べてみようかと思っています。
余談 |
鬼の窟古墳の周りには台湾リスの捕獲用のかごも設置してあります。
この周辺にもたくさんの台湾リスがいます。