男岳神社(おんだけじんじゃ)
男岳神社(おんだけじんじゃ) |
祭神 |
祭神は、猿田彦大明神、句々廼馳(くくのち)命、野槌命(のづちのみこと)です。
「猿田彦神」は「邇邇芸命」(ににぎのみこと)が、天降りするとき、葦原の中つ国まで案内した道案内の神様です。
その鼻の長さ七握、背の高さ七尺余り、口の端が光り、目は八咫烏のようで、照り輝いていた、といいます。
男岳神社の神様はとても厳しい神様で、枯れ枝を1本取っても怒ったといいます。
それだけにご利益があると信じらていて、全島から参拝客が訪れています。
明治になってから、山頂に神殿、社務所等ができてから一層にぎわうようになりました。
戦時中は、家族が千本旗を持って出征軍人の無事や戦功を祈ってお参りしていました。
男岳神社と向かい合って女岳神社(めんだけじんじゃ)がありますが、そこの神様は、猿田彦命の妻の天鈿女命(あめのうずめのみこと)です。
猿 |
壱岐には特徴のある神社がたくさんあります。
左の写真の神社は男岳神社(おんだけじんじゃ)の入り口です。
ここからおよそ400段の階段を上って参拝します。
ただ、裏手から車でも参拝できるようになっています。
見ざる、言わざる、聞かざるの3猿が出迎えてくれます。
航海安全、旅行安全、交通安全、良縁成就、夫婦和合に御利益があります。
この神社、実は古代には、「月読神社」が鎮座していました。
鳥居 |
男岳神社には鳥居が三つあります。
まず、入口にある一の鳥居です。
この鳥居は昭和時代に造られています。
鳥居の笠木と貫には小さな石ころがたくさんのっています。
二つ目の鳥居です。
この鳥居は、江戸時代に鯨組によって寄進されました。
益富、土肥、今西、布屋などの文字が刻みこまれています。
鳥居の足元にある燈籠も、嘉永年間、江戸時代に造られています。
鳥居の上と、燈籠の中にはたくさんの小石があります。
遥拝所 |
以前は、この場所に松があって、参拝者はここで拝みました。
今は松は枯れてありませんが、ここに石が置いてあります。
正月には、年木、年縄がかけられます。
アテ山 |
男岳神社のある山を「魚釣山」と呼んでいます。
右のように古い石額には、「魚釣山」と彫ってあります。
壱岐では3番目に高い山で約156mあります。
壱岐では最後の火山活動によってできました。
魚釣山は壱岐を出て沖で漁をする船の位置を知るためのアテ山として利用されています。
巨石 |
山の中には大きな岩がゴロゴロしています。
いずれも、男岳山の火山活動によって、噴き出してきたものです。
玄武岩です。
植物群 |
「魚釣山(うおつりやま)」の木や草については、枯れ枝さえも、持ち出しは厳禁でした。
そのために、この山にはいろいろな種類の木や大木が生い茂っています。
イスノキ、バリバリノキ、ヤブツバキ、シイノキ、ヤブニッケイ、マテバシイ、イヌマキ、ホルトノキ、クロガネモチ、アラガシ、アオガシ、ホンバノカナワラビ、ギジョウラン
左はカカツガユです。
幹周り45cm、高さ13mあります。
壱岐では2番目の大きさです。
中央はイスノキです。
この森にはいたる所にこの木が生い茂っています。
右は、マテバシイの大木です。
それにしてもこれらの迫力には圧倒されます。
左は、イスノキの巨木です。
幹周り3.16m、高さ19mあります。
中央は、バリバリノキです。
幹周り1.36m、高さ19mあります。
壱岐では一番の大木です。
右は、イヌマキです。
幹周り3.24m、高さ23mあります。
猿と牛 |
これは頂上の風景です。
230体を超すたくさんの猿が所狭しと置いてあります。
その表情は1体1体違います。
猿田彦命は直接猿とは関係がありませんが、猿田彦命の猿とごろ合わせで結びつけてこのように猿の石像を置いているものと考えられます。
置かれている猿の中にはキリスト教の按手を組んだものもあります。
牛の置物も30体以上あります。
男岳神社の祭りの名は、「牛祭」でした。
そういう所から、当初は、牛の健康や繁殖を祈願し、石猿よりも石牛を奉納していましたが、今では石猿の方が多くなりました。
壱岐は壱岐牛の産地です。
農家の人が奉納したものでしょうか。
ご神体 |
これがこの神社の御神体です。
この形が何を表わしているか、御想像にお任せします。
この岩は、磁石の針が動きません。
パワースポットにもなっています。
キリシタン遺跡 |
ここにある石猿群の中で、キリシタン遺跡と思われるものがあります。
左の猿は、祈っている姿が、A(あるふぁ)型をしています。
右の猿は、合掌している腕と手がω(おめが)の形をしています。
このような形をしているものは、隠れキリシタンの信奉者が奉納したものと考えられます。
眺望 |
頂上には展望台もあり右の写真は展望台からの展望です。
360度のパノラマが開けます。
ダムの中に赤い屋根の建物が見えますが、この後ろにある高い山が、猿田彦命の妻の天鈿女命(アマノウズメノミコト)をまつってある女岳神社です。