壱岐の山根弥勒堂


山根(やまね)弥勒堂

このお堂は、白砂八幡神社の裏手にあります。

江戸時代までは、白沙八幡神社に置かれていました。

明治初年の廃仏毀釈の折りに、白沙八幡宮から移され処分され、海に投棄されました。

しかし、何回押し流しても元のところへたどり着くので、みんな、連れて帰れとの御宣託と信じ、どうしたものかと、話し合いました。

その結果、福元伝右エ門がこの弥勒菩薩像をまつるために、水田6畝を保管費として差し出し、弥勒堂を建てて、末永くまつることにしました。

この仏像は一部が損傷していなければ国宝級のできばえといわれています。













木造弥勒如来坐像です。

左右に2対ありますが、左の仏像の方が手がつけられておらず、その価値が評価されているものです。

総高95.5cm。























右の方の仏像は、素人が完全に彫りなおしたようで、像の形を失い、お顔の姿がはっきりしません。






































左の写真は上の2対の写真の左側の仏像です。

くすの木でつくってあります。

一木造りで、両手先まで体部と同一材から彫り出しています。

右手の親指と小指がありません。


表面のいたみが激しく、目鼻だちや衣文線は、はっきりとは分かりません。

背中には、くすの木の一枚板の後背があります。

厚さは平均
1.5cmほどで、今は彩色の跡も見えない木肌のままです。

仏体を包むように湾曲しています。

背中に、後背がある仏像は少なく、貴重なものです。














いたみが激しく、あと、どのくらい持つのか心配です。