壱岐のその他の植物



アリドオシ

私の家の裏山にたくさんあります。

縁起の良い植物とされ、「千両、万両、有り通し」といわれ、正月に飾ります。

アリを突き刺すほどの、するどいトゲを持っていることから、アリドオシと呼ばれている、という人もいます。

アリドオシの茎は、ご覧のように、上に伸びるのではなく、横に広がって伸びるので、始末が悪く、この周辺を通ると、必ず、刺されます。

刺されると、いつまでも、チクチク痛みます。

赤い実は、一度なると、なかなか落ちません。

白い花が咲きますが、花が咲いても、去年できた赤い実が、まだついているときもあります。



ウマノアシガタ

4月から5月にかけて、黄色い花が咲きます。

ウマノアシガタという名前は、葉が馬のひずめに似ていることから、と言われていますが、あまり馬のひずめには似ていません。

アルカロイド等を含む有毒植物で、牛がまちがえて食べると中毒を起こす場合があります。

日当たりの良い田んぼのあぜみちや畑の周辺に多くあります。

花びらにある、デンプンの細胞層が光を反射し、日光にあたるとキラキラ輝いて、とてもきれいです。

花びらは5枚あります。







高麗芝

 昔は、この周辺は、コウライシバがたくさん自生していました。

 別名、朝鮮芝ともいいます。

 しかし、今は、他の植物に侵食されて、絶滅寸前です。

 天然のコウライシバは、なかなか見ることができません。

壱岐に昔から自生している芝に比べて、葉が細く、柔らかです。

 コウライシバは、牛を放牧したり、さつま芋を薄く切ってそれを乾燥させるためにコウライシバの上に干したり、イネを干したり、遠足に来て、芝の上に寝ころがったりと、いろいろと活用されていました。

写真のコウライシバは、通称、権現崎(ごんげざき)といわれている場所にあります。

景色の良い場所です。



シロバナマンテナ

村の草刈りのとき、偶然、見つけました。

群落をなしていて、とても、鮮やかな、色をしています。

中〜南ヨーロッパ原産の帰化植物で、 江戸時代末期に、庭などに栽培するために植えたものが、野生化したものです。

道端や荒地、埋立地などに群生しています。

咲き始めは白で、だんだんピンク色になっていきます。

5月〜6月にかけて、花を咲かせます。

一列に並んで咲くという、とてもお行儀の良い花です。


離れて見ると可憐な花に見えますが、近づいてよく見ると、毛がありいかつく見えます。

がくがとても大きく、また、卵のように丸くふくらんでいます。

手で触るとネバネバします。

茎全体に、荒い毛がたくさんついています。

花は、茎の先の一方に偏って咲きます。







スキヤクジャク

スキヤクジャクは、熱帯性の常緑のシダ植物です。

壱岐では、この場所も入れて、2ヶ所だけにしか生えていません。

日本では、硫黄島、屋久島、平戸大島、壱岐の4ヶ所だけにしか自生していないといわれています。

したがって、壱岐は、分布の北限として学術上、貴重な場所です。

スキヤクジャクは森林や水路、土手の日当たりの悪く、湿気の多いところに良く生えます。

熱帯性のシダが、なぜ、この地に生えたか、はっきりしませんが、胞子が台風などによって、飛んできて自生した、と思われます。

県指定天然記念物。

絶滅危惧種にも指定されています。