壱岐の熊野神社 十七



熊野神社

 祭神

伊弉册尊(いざなぎのみこと)、素盞嗚尊(すさのおのみこと)、事解男神(ことさかおのかみ)、速玉男神(はやたまおのかみ)

相殿

天照大神(あまてらすおおみかみ)、國常立尊(くにとこたちのみこと)、正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊(まさかあかつかつはやひあめのおしほみみのみこと )、
天津
彥彥火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎ のみこと)。彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、軻遇突知命(かぐつちのみこと)、埴山姫命(はにやまひめ)、罔象女神(みつはの めのかみ)、稚産靈神(わくむすびのかみ)、大山祇神(おおやまづみのかみ)

この神社の鳥居は、肥前鳥居です。

どっしりした、重量感があります。


(神様のお話)

妻の伊弉冉尊(いざなみのみこと)を亡くした、伊弉册尊(いざなぎのみこと)は、黄泉(よみ)の国に、妻に会うために出かけます。

しかし、そこでは、妻の体は、腐っていて、うじがたかっていました。

夫は、慌てて逃げ帰りますが、妻は、後を追いかけてきます。

黄泉国と地上との境である、泉津平坂(よもつひらさか)の千人引きの岩で、道をふさぎ、妻に、離婚する、といいました。

妻は、それを聞いて、「あなたには負けません」と言って、唾をはくと、速玉男神(はやたまおのかみ)が生まれ、次に、掃きはらうと、事解男神(ことさかおのかみ)が生まれました。


やっとのことで、逃げ帰った夫は、九州の日向(ひゅうが=現在の宮崎県北部)の「橘の小門の阿波岐原(たちばなのおどのあはきはら)」で、みそぎをします。

このとき、左の目を洗った時に、天照大神、右の目を洗うと、月読命、鼻を洗うと、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が生まれました。


(お宝伝説)

室町時代、壱岐に、王子五郎という、海賊がいました。

王子五郎は、にわとりを飼っていて、毎日卵を産ませていました。

しかし、毎日のように、蛇が現れ、卵を呑みこんでいました。

怒った、王子五郎は、木で卵の形を作り、本物の卵と一緒に巣に入れて置いたところ、案の定、蛇がやって来て、これを卵と思って呑み込んでしまいました。

当然、木の卵ですから蛇は腹の中で割ることができません。

7日7夜苦しんで蛇はとうとう死んでしまいました。

ところが、それから蛇のたたりがあり、五郎や付近の住民は困ってしまいました。

五郎は、そこで、蛇が剣にからんだ様子を石に刻んで、これを蛇神様として祀りました。

その後、たたりはなくなったといいます。

写真が王子五郎が作ったという蛇神様です。

大きさは約40cmあります。

砂岩でできています。













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