壱岐の兵瀬古墳
兵瀬古墳(ひょうせこふん) |
この古墳も、鬼の窟(おにのいわや)古墳と同じ円墳です。
墳丘の長さが34m、高さが8mあります。
古い時代に書かれた本に、次のような記述があります。
窟をすべて、鬼屋という故を考えると、むかし、巣に住み、穴に居しといいし世、貴人などは、かく石室をしつらい、住しならん。
故に、御屋(おんや)といいしを、後世、鬼屋(おにや)というようになった。
と、いう説もあるが、いかがあらん。
もしくは、すべて、このような窟は、大石をもって造りたれば、世に言える、鬼のしわざならんとて、自然、鬼屋というようになった。
実は、鬼という者が住みし所ではなく、人の住し所、あるいは、貴人などを葬ったこともある。
南向きにして、間数ある窟は、人の住まいしものと見える。
いつの時代でも、考えることは同じですねぇ。
右の写真は、この古墳の入り口から内部をのぞいたものです。
石室の全長が12mあります。
横穴式石室を持つ円墳です。
部屋の数は3つあります。
一番奥が玄室です。
玄室の広さは、縦2.9m、横2.4mあります。
さて、兵瀬古墳には舟の線刻画があるとされています。
しかし、ここにある石には、心ない人たちによる落書きがひどく、どれが船の先刻画なのかを発見することができませんでした。