壱岐の温泉
湯ノ本温泉 |
千年 |
発見されたのは1500年以上も昔のことで、湯ノ本温泉は、古くから知られている温泉地です。
歴史は古く、神功皇后が三韓出兵の帰路に立ち寄り、自噴している温泉を見つけたと「壱岐国続風土記」に、記載されています。
神功皇后はここで応神天皇の産湯をつかわせ、また産後の心身を癒したという伝説もあり、子宝の湯として親しまれています。
湯治場として江戸時代の文献にも残っています。
自噴泉です。
石川県からの白山火山脈の西端にあたり、わずか50mの掘削でお湯が湧き出してきます。
ただ、最近は、お湯の量が減少していると関係者の方が話されていました。
神経痛、リューマチ、婦人病をはじめ、皮膚病、火傷、切り傷などに効果があります。
昭和48年、国民保養温泉地に指定されました。
国民宿舎、旅館、湯治温泉があり、ひなびたたたずまいの旅館街といった感じです。
湯の本湾 |
湯の本温泉は、右の写真のように、港に面しています。
そのため、お湯に、海水が含まれているため、なめるとしょっぱいです。
また、湧き出てくるときには透明なのに、空気に触れたとたん鉄分が酸化して赤くなっている、という、何とも不思議な赤湯です。
露天風呂や展望風呂から、美しい島々を染める夕陽や夜の漁火を眺めながらお湯につかるのもここならではの贅沢です。
夕日 |
湯ノ本湾は眺望も良く、好釣り場でもあり、多くの湯治客や行楽客に親しまれています。
湯ノ本湾は、壱岐の松島といわれています。
オレンジ色に輝いた夕日が島影に沈もうとする光景瞬間は、本当に美しい光景です。
お魚センター |
湯本温泉にあり、勝本港に水揚げされたイキのいい魚をそのまま店内の生簀(いけす)へ集めています。
水イカ、タイ、カサゴ、サザエ、アワビなど、玄界灘の海の幸がそろっています。
またイカの浅漬けや干魚、ウニ、スルメなど加工品もここで作っているので新鮮です。
クール便で地方発送も手配してくれます。
サンドーム |
温泉を利用した、総合レジャー施設です。
1階は水着ゾーンで水着を着用したまま露天浴や屋外プールをはじめ20種類もの温水プールが楽しめます。
2階は露天風呂やお肌がツルツルになると評判のソルティサウナ、各種泡風呂やサウナがあります。
またトレーニングルームも完備しています。
休憩室や食堂も利用できるので一日中滞在できます。
野外施設として、全天候型テニスコート、ミニサッカーコートがあり、これらの施設は有料です。
地層 |
湯の本温泉には、このような地層が見られます。
これは、古代の火山活動により、溶け出された溶岩が固まったものです。
地殻変動のすさまじさを感じさせます。
医王院 |
壱岐33番札所のなかの18番札所「医王院」です。
いかにも古びたお堂で、それだけに地元の人たちの信仰心の深さを感じさせます。
18番御詠歌
「わが思う 心のうちは六の角(かど) ただ円(まろ)かれと 祈るなりけり」
角がとれて丸い人間になりたい、いつもこうありたいものです。
建物の内部には如意輪観音像が置いてあります。
多くの如意輪観音は片膝を立てて座っています。
如意輪観音の「如意」は、意の如く、ということから、思いのままに、という意味です。
つまり、自分が心の中で思っていることを、何でも願いかなえるという意味です。
病気が治るようにとかお金持ちになりますようにとか、そういう願いをかなえてくれる観音様です。
如意輪観音は手に円すいに近い球形の玉を持っています。
よく、橋のらんかんの頂点に付けられていますが、あれはこの宝珠を真似たものです。
この玉のことを宝珠(ほうじゅ)といいます。
そういえば、孫悟空が如意棒というもの持っていたのを思い出します。
また、如意輪観音の「輪」とは、法輪を省略したもので、仏の教え、つまり、仏教という意味です。
だから、如意輪観音は、どんな願いごとでも、仏教の力で、かなえてあげる、という観音様です。
観世音寺 |
観世音寺(かんぜおんじ)です。
湯の本温泉の高台にあります。
曹洞宗です。
観世音寺の境内には、壱岐33番札所の16番、19番の札所があります。
このお堂も18番札所の医王院にひけをとらない古さです。
建物の内部には千手観音があります。
千手観音は、42本の手があり、そのうち2本は、腕の前で合掌しています。
2本の手を除いた残りの40本の手それぞれで、25ある世界を救うとされています。
つまり、25×40=1,000というわけです。
16番御詠歌
「松風や 音羽の滝(おとわのたき)の清水を むすぶ心は 涼しかるらん」
音羽の滝というのは、京都の清水寺にある、皆さん良くご存知の3本の滝です。
3本の滝には頭がよくなる、健康になる、恋愛が成就する、という意味があるように言われていますが、これは観光用に言われているらしく、本当は、「行動、言葉、心」の清浄を意味しているそうです。
いつ行っても順番待ちで混んでいます。
19番御詠歌
「花を見て いまは望まぬ革堂(こうどう)の 庭の千草も 盛りなるらん」
革堂というのは、京都、行願寺(ぎょうがんじ)にある、僧の行円(ぎょうえん)が平安時代に建てたお堂の名前です。