壱岐で困っていること


カラス

習性

カラスは皆さんご存じのように、オスもメスも黒色。

太くて、頑丈なくちばしをもっているので、雑穀も食べるし、他の鳥の巣を襲ってひなを食べたり、周辺に生息している小動物を食べたりもします。

人間が出した残飯なども喜んで食べます。

良く、壱岐では、クサガメが、カラスに食べられている光景を見ます。

そういうことから、カラスは雑食性です。

南アメリカとニュージーランドにはカラスはいないそうです。

カラスは1年中壱岐にいます。

カラスには、鼻毛がはえていて、他の動物の死体の中に首を突っ込んで内臓を食べても、血や小さな肉片がくっつかないようにできています。

カラスの寿命は約10年と言われています。

話しは変わりますが、私は最近生まれて初めて、カラスに襲われました。

住宅街を、友人を尋ねてダラダラと歩いていました。

突然、バサッ、という感じで頭の上に何かが落ちてきました。

そうですね〜、新聞紙の束が上から落ちて来た感覚です。

すぐに足元を見下ろしましたが、何も落ちていません。

変だなー、と思って、頭上を見上げると、電柱の頂上に大きなカラスがとまって、カアー、カーと鳴きだしました。

一瞬、カラスにやられということが分かりました。

あわてて、手を頭に当てると、出血状態です。

私のそばを、自転車に子どもを乗せた女性が何事もないように通り過ぎて行きました。

何でだよ〜、と叫びたくなりました。





ハシボソガラス

壱岐にいるカラスはハシボソガラスとハシブトガラスです。

ハシボソガラスは、額に出っ張っている部分がありません。

口ばしから額にかけて、ほっそりとしたラインになっています。

農村部の田畑の周辺にたくさんいます。

「ごんべが種まきゃ、カラスがほじくる。」、というときの、カラスは、この種のカラスです。

田んぼや畑の中に降りて、ひょこひょこ歩きながら、カエルやミミズを食べています。

ハシボソガラスは「ガアー、ガアー」と絞め殺されているようなしゃがれた声で鳴きます。

鳴くときは、背中を丸めて、顔を上下に動かして、何回もお辞儀をするような姿勢で鳴きます。


ハシブトガラス

ハシブトガラスは、額から口ばしにかけて、はっきりした引っ込んでいる部分があります。

逆に言えば、額の部分が出っ張っています。

比較的、口ばしが太く、山林にもいますが、都市部や市街地に住んでいます。

都市のごみ捨て場でゴミをあさっているのはだいたいハシブトガラスです。

「カアー、カアー」と澄んだ声で鳴きます。

鳴くときは、背筋を伸ばして鳴きます。


被害

お盆や葬式などのときに、墓地にあげた供え物はすぐになくなります。

人間が、立ち去ったら、間髪をいれず、カラスが集団で押し寄せて、あって言う間に食べつくされてしまうからです。

我が家では、キンカンやヒワの実が、ちょうど熟れて、食べ頃になった時期にカラスにやられてしまいました。

カラスは、桃や梨など、くだものが熟れる時期を良く知っているようです。





コウライキジ

壱岐では、コウライキジが増えてきました。

普段は、平地の農地周辺や草原、草むらなどに住んでいます。

オスはきれいな色をしていて、顔が赤く、首は、深い青、のどから腹にかけて濃いグリーンの派手でカラフルな姿をしています。

首に白い輪みたいな模様がついています。

よく、バタバタとはばたいて、ドラミングをして、「ケン、ケン」、という大きな声で鳴きます。

メスは、地味なうす茶色の色をしています。

壱岐では、コウライキジを当初、食糧にするために、朝鮮半島や中国から輸入して放鳥し、ずっと保護してきました。

しかし、最近は、増えすぎて、畑の農作物を食べてしまうため、農家ではとても困っています。

役所では、なんだかんだと屁理屈をつけて、狩猟解禁にはしていません。

雑食性で、食物の芽、葉、種子、作物、昆虫、クモ類、ムカデなどの多足類、カタツムリなどの軟体動物などを食べます。

巣は、草原や畑の中の草むらに作ります。

台湾リスの2の舞いにならなければよいが、とも思います。





台湾リス

台湾リスは、ミカンなどの果物を食べます。

壱岐には、やぶ椿の木がたくさん自生しています。

しかし、そのやぶ椿の実が、台湾リスに、食べられてしまいます。

餌を食べるのは、朝夕の2回。

我が家の周りにも、2年前は、1匹いましたが、現在は3匹に増えました。

毎朝、毎晩、「ギャッ、ギャッ、ギャッ」」と、餌を探しながらわめいて、木の上を移動しています。

裏山の中腹に穴を掘って、さつま芋を貯蔵していたら、みごとに食い荒らされていました。

台湾リスは、立ち木の幹をガリガリとかじります。

しかも、幹の周りを、グルリとかじってしまうので、完全に木は枯れてしまいます。

台湾リスが木の幹をかじるのは、前歯がのびるので、伸びた前歯をすり減らすためだと言われていますが、確かなことは分かっていません。

壱岐は島であるにもかかわらず、台湾リスが増えた理由は、「リス村」という、レジャー施設が閉鎖するときに、台湾リスを処分するのがかわいそうだということで、逃がしてしまいました。

壱岐には、台湾リスの天敵がまったくいません。

あっという間に、ねずみ算式に増えてしまいました。

行政も、のんびりしていて、当初は何も手を打たず、農産物や林業の被害が増加して、みんなから、対策がなってない、と大騒ぎになって、やっと、今になって重い腰をあげ、捕獲用の檻(おり)貸し出すと共に、リスを捕獲した人には1匹あたり、900円を補助するということになりました。

ところが、1人で数百万円を稼ぐ人が出て、これではヤバイト思ったのでしょうか、今まで、900円だったのを600円に値下げしてしまいました。

いったい、何を考えているのか、さっぱり分かりません。

本気になって、リスを減らそうという考えがまったくないようです。

それにしても、このままでは、壱岐の島は、台湾リスに支配されてしまうでしょう。






産業廃棄物処理場

壱岐に、産業廃棄物の最終処理処分場と中間処理施設を建設するという話が突然持ち上がりました。

壱岐は、玄武岩の島なので、少し掘れば、玄武岩にぶつかります。

そこで、島のあちこちに、石を切り出して、砂利(じゃり)を作っている風景を見ることができます。

で、今回、問題になっている産業廃棄物の処理場は、島の中央にある採石場跡をそのまま産業廃棄物のゴミ捨て場として利用するというものです。

壱岐市の水道水の7割は地下水です。

産業廃棄物の施設を造ることに反対している人は、廃棄物処理場の底から漏れた、汚水や汚泥が地下水の中に混じり込んで、水道水が汚染されるのでは、と考えているからです。

反対派は2万3千人の署名を集めました。

壱岐の人口3万1千人。

「廃棄物を島外に持ち出さず、島内には持ち込まない」を原則としているが、一向に進みません。

(株)地球は「凍結」を表明ましたが、いつ再開すると言い出すか不明です。





竹の島

弥生時代の壱岐を紹介した「三国志」という書物の中の「魏志倭人伝」には、「竹木、叢林(そうりん)多く、三千ばかりの家あり」、とあります。

このように、壱岐は古代から、竹がたくさんあったと思われます。

このままでは、壱岐の島は、将来は竹の島になりそうです。

最近、いたる所に、竹が侵食してきました。

竹は、根が地中で、縦横無尽(じゅうおうむじん)に広がっていくために、竹がはびこりだしたら、他の植物は、なかなか、根をはやすことができません。

竹がはびこると、杉の木や、広葉樹の木々が枯れていきます。

竹は、根が浅いので、強風、地滑り、病気などには弱く、地震のときなどは、地滑りが発生します。










原因

竹が、猛威をふるって、増えている理由は、過疎化(かそか)にあります。

なにしろ、壱岐には、働く場所がありません。

今までは、離島振興法や過疎法の両建ての保護政策で、道路や箱物をどんどん造り上げてきました。

しかし、ご承知のように、バブルがはじけて、国も財政の引き締めを行い、補助金が最盛期の1/4に減少しました。

今後も、どんどん減っていくことでしょう。

そのために、今まで、土木建築、公共事業中心の会社に雇用されていた若者が、失業し、島を出て働くことになりました。

当然、若い人が、いなくなれば、後継者もいなくなり、その結果、無人の家が増えて、家の周囲の草や、木を切って、ほどよく管理されていましたが、管理する人がいなくなり、竹が増えてきたというわけです。

高い場所から、周囲を見渡すと、竹山だらけです。


特性

竹は、イネの仲間です。

イネの茎を良く見ると、竹のような節(ふし)がちゃんとついています。

竹は100年に1回花を咲かせて、枯れていくそうです。

以前、竹の花を見たことがありましたが、花を咲かせた竹が枯れたかどうかは、確認していませんが、しかし、今でも、そこには、たくさんの竹がはびこっています。

竹の節は竹の年齢の数だけあります。

木の年輪にあたります。


真竹(まだけ)

竹の種類は、560種類ほどあるそうです。

壱岐にあるのは、真竹(まだけ)、孟宗竹(もうそうちく)、女竹(めだけ)などです。

真竹は壱岐にもたくさんあります。

真竹の原産は中国です。

壱岐では、真竹でかごやざるをつくります。

弾力性と粘りがあるからです。

節の環が2つあります。高さも20mほどに成長します。

皮が、とてもしなやかなので、昔から、おにぎりやおかずを包むのに利用していました。

真竹のたけのこは、孟宗竹のたけのこと違って、苦味があります。

あく抜きをしても、苦味は残りますが、それなりに、おいしいです。




孟宗竹(もうそうだけ)

孟宗竹は、中国江南地方からやってきたもので、1日に1m以上も伸びます。

節の環は1つあります。

とにかく、幹周りも大きい竹です。

大人の、腕以上の太さがあります。

高さも10〜20mあります。

真竹に比べるともろく、弾力性に欠け、割れやすい性質があります。

当然、ざるやかごを作ったりというものには不向きです。

しかし、孟宗竹のたけのこはとてもおいしいです。

毎年、たけのこのシーズンになると、我が家の背戸山(せどんやま)にたけのこをとりにいきます。

そして、1年分を冷凍して、少しずつ食べていきます。

壱岐では、真竹のことを男竹(おんだけ)と呼びます。




女竹(めーだけ)

女竹は、細く、すらりと、していて、女性的な竹です。

女竹は、男竹に対して、小型のために、女竹と呼ぶようになりました。

女竹の竹の皮は、白っぽく、いつまでも竹の節に張り付いていて、節の半分以上の高さまであります。

高さも5mほどです。

女竹のたけのこも苦味があります。

昔は、この竹を釣竿や竹鉄砲を作るのに使用していました。

笛を作るのにも利用していました。






漂着ゴミ

昔は、漂着ゴミはほとんどありません。

あっても、流木や海藻類でした。

しかし、今は、ペットボトルや発砲スチロール、ビニールなどがあふれています。

特に、壱岐では、冬場には、北西の季節風が吹き荒れることもあって、対馬海流に乗って、たくさんのゴミが海岸に流れ着きます。壱岐では、清石浜(くよしはま)が一番ひどいといわれています。

壱岐は、韓国、中国に近いので、流れてくるゴミで、多いのは、韓国や台湾、中国製のものです。

特に、韓国製のゴミがダントツに多くなっています。

これに対して、関東地方の漂着ゴミは日本製の物が多いそうです。

ゴミを拾うのは、地元の漁協やボランティアの活動家です。

拾ったゴミは、最近はゴミ焼却場に持ち込めば焼いてくれます。

しかし、それまでは、夏の観光シーズンが始まる前に、市の観光課で、真っ黒い煙を出しながら、野焼きをしていました。

もちろん、周辺の住民からは、苦情が出ていました。






鷺(さぎ)

壱岐では、田植えが終わり、イネの苗が成長を始めようとするときに、どこからともなく、このようなサギの集団がやって来ます。

この、サギの集団は、田植えが終わったばかりのイネの苗を踏み倒して、餌をあさります。

サギの餌は、カエル、ドジョウ、オタマジャクシなどです。

農家の人たちは、サギの集団を見かければ、カンシャク玉などの音を出す道具を使って追い払いますが、空中を舞って、又、直ぐに戻ってきます。

タコ糸を張ったり、長い紐をつるしたりしていますが、効果はありません。

どなたかサギを追い払う良い方法があれば教えてください。