壱岐島四国八十八カ所霊場(3)


 61番 金比羅堂

本尊 観世音菩薩 

苦しんでいる人々が、「南無観世音菩薩」と唱えれば、その声を聞き、その苦しみから救い出してくれる、菩薩です。


御詠歌

後の世を 思へば詣れ 香園寺、止めて止まらぬ 白瀧の水


後の世の、極楽浄土のことを、思うのであれば、香園寺にお詣りしなさい。このお寺にある白龍の滝では、罪を洗い流す水が、止めようとしても止まらぬほど、流れています。







 62番 専念寺

浄土宗 

本尊 阿弥陀如来

もともとは、インドの国王でしたが、出家して、法蔵比丘(ほうぞうびく)と名のり、修業しました。あまりにも、長い期間、修業し考えすぎたので、頭がはれ上がりました。念仏を、10回唱えても、極楽浄土に往生できない人は、仏になるのを、やめなさい。とも言ったといいます。



御詠歌

さみだれの あとに出でたる 玉の井は、白坪(しらつぼ)なるや 一の宮川(かわ・は)


 さみだれの後に、湧き出る玉の井は、白坪だろうか、いや、そうではなくて、一の宮です。

 


 63番 元居堂

本尊 観世音菩薩 

苦しんでいる人々が、「南無観世音菩薩」と唱えれば、その声を聞き、その苦しみから救い出してくれる、菩薩です。


御詠歌

身のうちの 悪しき悲報を 打ち捨ててみな吉祥を 望み祈れよ

抱え込んでいる、悪いことは、みんな捨てて、吉祥寺に、めでたいことや良いことががあるように、とだけ祈りなさい。

 

 



 64番 華光寺

曹洞宗 

本尊 釈迦如来 

仏教の始祖で、実在した人物です。
生まれた直後に、7歩歩いて、右手で天を指し、左手で地をさして、「天上天下唯我独尊」と言った、という伝説があります。


御詠歌

前は神 後は仏 極楽の、よろずの罪を くだくいしづち


前には神様、後には仏様がいる極楽では、たくさんの罪を砕いてくれる、石鎚があります。

 

 


 65番 長栄寺

曹洞宗

本尊 地蔵菩薩、聖観世音菩薩 

地蔵菩薩は、お堂よりも、野外に置かれていることが多い、菩薩です。

「とげ抜き地蔵」、「イボ取り地蔵」、「子育て地蔵」、「子安地蔵」、「安産(腹帯)地蔵」、「田植え地蔵」、「裸地蔵」、「身代わり地蔵」、「縛り地蔵」、「延命地蔵」、「勝軍地蔵」、「水子地蔵」など、たくさんの種類があります。

聖観世音菩薩は、安産、子授け、子育て安全のための、菩薩です。


御詠歌

おそろしや 三つの角にも 入るならば、心をまろく 慈悲を念ぜよ


恐ろしいことです。この角々しい世の中に生きているなら、心を円くして、阿弥陀様を信じ、お祈りしなさい。

  



 66番 石原堂大師堂

本尊 地蔵菩薩  

地蔵菩薩は、お堂よりも、野外に置かれていることが多い、菩薩です。

「とげ抜き地蔵」、「イボ取り地蔵」、「子育て地蔵」、「子安地蔵」、「安産(腹帯)地蔵」、「田植え地蔵」、「裸地蔵」、「身代わり地蔵」、「縛り地蔵」、「延命地蔵」、「勝軍地蔵」、「水子地蔵」など、たくさんの種類があります。


御詠歌

はるばると 雲のほとりの寺に来て、月日を今は ふもとにぞみる

 はるばると、遠い、雲のほとりにあるような、遠いお寺にやって来ました。今は、時のたつのも忘れ、月日を、ふもとの方に見下ろして、心が、洗われるような、良い気持ちがします。

 



 67番 渡良地蔵堂

本尊 地蔵菩薩  

66番地蔵菩薩を参照してください。


御詠歌

植えおきし 小松尾寺を ながむれば、法の教えの 風ぞ吹きける

小松を植えておいた、小松尾寺を眺めていると、仏様の仏法を教える風が吹いてきます。

 

 







 68番 神田堂

本尊 十一面観世音菩薩

頭上に、十一の顔を持つ冠をつけ、全ての 方向を見つめて人々を救済します。

前3面は穏やかな顔の菩薩面、左3面は悪人を戒める分怒面、右3面は人々を励ます狗牙上出(くげじょうしゅつ)面、後一面は笑って、悪行を飛ばす大笑面、頂上は仏道の教えを説く仏面、でできています。

各面には、それぞれ、阿弥陀仏の宝冠があります。


御詠歌

笛の音も 松吹く風も 琴弾きも、歌うも舞うも 法のこえごえ

笛の音も、松吹く風も、琴の音も、歌も踊りも、みんな、説法の声に聞こえてきます。

 


 69番 物部堂

本尊 文殊菩薩

「3人寄れば文殊の知恵」といわれるように、知恵を象徴する仏です。  


普賢菩薩とともに、釈迦如来の脇にいる仏です。


御詠歌

観音の 大悲の力 強ければ、重き罪をも 引き上げてたべ

観音菩薩様の、大悲の力は、強いと聞いています。だから、どうか、私たちの、重い罪を救い上げてくださいませ。

 

 




 70番 薬師堂

本尊 釈迦如来 

64番釈迦如来を参照してください。


御詠歌

もとやまに 誰が植えける 花なれや、春こそたおれ 手向けにぞなる

この本山(寺)に咲いている花は、誰が植えたのだろうか。春に、この花を手で折って、仏様に、供養として、さしあげましょう。

 

 



 71番 定光寺

臨済宗 

本尊 釈迦如来 

64番釈迦如来を参照してください。


御詠歌

悪人と行き連れなんも
弥谷寺、只かりそめも 良き友ぞよき


信仰心のない悪人と、同行しても、良くないので、ほんの、少しの間でも、信仰心のある良い友人と、連れそうのが、良いものです。



 

 72番 鯨石堂

本尊 大日如来

真言宗にのみ登場する特殊な如来です。

忍者のポーズをしている如来です。すべての仏像は、大日如来が、変化したものと、いわれています。


御詠歌

わずかにも 曼荼羅おがむ 人はただ、ふたたびみたび 帰らざらまし

少しでも、曼荼羅を拝んだ人は、二度と、再び、俗人の世界には、帰ってくることはないでしょう。

 

 



 73番 若宮堂

本尊 釈迦如来

64番釈迦如来を参照してください。



御詠歌  迷ひぬる 六道衆生 救はんと、尊き山に いづる釈迦寺


迷っている、六道の人々を救うために、釈迦如来様が、この尊き山に、おいでになりました。

 

 







 74番 白川大師堂

本尊 不動明王 

顔は、怒っていて、背中に、燃え盛る火焔、右手に剣、左手に羂索(縄)を持っています。

片側だけおさげ髪をしています。


御詠歌

十二神 味方に持てる 戦にはおのれと心 (兜かぶと)山かな

 薬師如来の、十二神将の神を信仰し、味方にしたら、戦争の時には、おのれと心は、かぶとをつけているように、強くなります。

 





 75番 国分寺

臨済宗  

本尊 薬師如来 

左手に薬壺を持ち、身体と心の病気を治してくれる仏。

右手はかざしていて、患部を手当てしています。

このお寺にある、弘法大師像は、60年に1回、開扉されます。 


御詠歌

我住まば よも消えはてじ 善通寺、深き誓ひの 法のともしび

私(弘法大師)が住んだら、普通寺は、消えてなくなることはないだろう。仏様の深い教えも、ずっと、消えることはないでしょう。

 

 

 76番 子安観音堂

本尊 子安観世音  

ここでは、安産と子供の病気がなおるようにとか、病気にかからないように、祈願します。

礼参りには、腹帯や子供の着物を作ってあげます。

十夜供養をしたり子供の相撲を奉納したりします。



御詠歌

まことにも
神仏倉を 開くれば真言加持の 不思議なりけり


誠実さを持って、神様や仏様のいる扉を開ければ、神仏のお加護があり、不思議なことが、起こるものです。





 77番 高源院

本尊 釈迦如来

64番釈迦如来を参照してください。


御詠歌


ねがいをば
仏道隆に 入りはてて、菩提の月を 見まくほしさに

できることなら、仏道に入り、悟りを開いて、成就した暁には、菩提の月を、眺めたいものです。




 






 78番 徳命堂

本尊 弘法大師

空海ですね。全国を巡り、困っている人を助けたり、ため池を造ったり、綜芸種智院を建て、一般民衆を教育しました。


御詠歌

踊り跳ね 念仏唱う 道場寺、拍子をそろえ 鐘を打つなり

道場寺にお詣りをする人は、踊ったり、跳ねたりして、念仏を唱えたり、調子をそろえて、鐘もたたきます。

 







 79番 釈迦堂

本尊 釈迦如来  

64番釈迦如来を参照してください。


御詠歌

十楽の 浮世の中を たづぬべし 天皇さへも さすらひぞある

天皇さへも、配流され、さすらうことがあるのだから、十の快楽がある極楽浄土を、今の、浮世の時代に、訪ねてみたいものです。

 

 









 80番 仙南寺

真言宗 

本尊 千手観世音菩薩

御存じのように、体に、千本の手を付けた仏です。
しかし、42本の手で代用しています。
それぞれの手に、目があります。


御詠歌

国を分け 野山をしのぎ 寺々に、詣れる人を 助けましませ

国を分けめぐり、野山をしのぎ越え、お寺にお詣りする人を、
お助けください。

 





 81番 本宮大師堂

本尊 弘法大師

78番弘法大師を参照してください。


御詠歌

霜さむく 露白妙の 寺のうち、御名を称ふる 法の声々

 

霜が降りて寒く、露で白くなっている季節に、お寺のなかで、阿弥陀如来の名前をとなえて、お祈りする人々の、声が聞こえてきます。

 









 82番 地蔵堂

本尊 地蔵菩薩

地蔵菩薩は、お堂よりも、野外に置かれていることが多い、菩薩です。

「とげ抜き地蔵」、「イボ取り地蔵」、「子育て地蔵」、「子安地蔵」、「安産(腹帯)地蔵」、「田植え地蔵」、「裸地蔵」、「身代わり地蔵」、「縛り地蔵」、「延命地蔵」、「勝軍地蔵」、「水子地蔵」など、たくさんの種類があります。


御詠歌

よひのまの たへふるしもの 消えぬれば、あとこそかねの 勤行の声

 宵のうちにずつと降った霜が、消えてしまうと、そのあとは、鐘を打って、読経する勤行の声だけが残ります。




83番 地命寺

本尊 地蔵菩薩  

地蔵菩薩は、お堂よりも、野外に置かれていることが多い、菩薩です。

「とげ抜き地蔵」、「イボ取り地蔵」、「子育て地蔵」、「子安地蔵」、「安産(腹帯)地蔵」、「田植え地蔵」、「裸地蔵」、「身代わり地蔵」、「縛り地蔵」、「延命地蔵」、「勝軍地蔵」、「水子地蔵」など、たくさんの種類があります。


御詠歌

讃岐一 宮の御前に 仰ぎ来て、神の心を 誰かしらいふ

讃岐一の宮に来て、神様の心を、だれが知ろうか。だれも、知りません。

 

 



 84番 弥勒堂

本尊 弥勒菩薩 

釈迦の次に如来になることが約束され、56億7千万年後に、世界を救いにやって来る、仏です。

腰掛けて足を組み、手の指を頬に当て物思いにふけっています。


御詠歌

梓弓屋島の寺に詣でつつ、祈りをかけて勇むもののふ

屋島のお寺にお詣りして、戦勝を祈り、勇んでいる、兵士たち。

 






 85番 黒瀬観音堂

本尊 観世音菩薩

苦しんでいる人々が、「南無観世音菩薩」と唱えれば、その声を聞き、その苦しみから救い出してくれる、菩薩です。


御詠歌

煩悩を 胸の智火にて 八栗をば、修行者ならでは 誰か知るべき


百八つの煩悩を、胸の中の知恵の火で焼くことは、修行者でなければ、誰も知らないでしょう。










 86番 阿弥陀堂

本尊 阿弥陀如来 

もともとは、インドの国王でしたが、出家して、法蔵比丘(ほうぞうびく)と名のり、修業しました。あまりにも、長い期間、修業し考えすぎたので、頭がはれ上がりました。念仏を、10回唱えても、極楽浄土に往生できない人は、仏になるのを、やめなさい。とも言ったといいます。


御詠歌

いざさらば今宵はここに志度の寺、祈りの声を耳に触れつつ

 
さあ、ここでお別れしましょう。私は、今夜は、ここ志度の寺で、祈りの声を耳にしながら、寝ることにしましょう。

 



87番 平大師堂

本尊 観世音菩薩 

苦しんでいる人々が、「南無観世音菩薩」と唱えれば、その声を聞き、その苦しみから救い出してくれる、菩薩です。


御詠歌

あしびきの 山鳥の尾の 長尾寺、秋の夜すがら 御名を唱えて

 柿本人麻呂が詠んだ、「 あしびきの山鳥の尾」の長尾寺で、秋の夜に、一晩中、念仏を、唱えましょう。

 







 88番 能満寺


真言宗  

本尊 虚空蔵菩薩  

虚空蔵菩薩は、大宇宙の如く大きな功徳で、悩める全ての人々を、不思議な力で救済する菩薩です。


御詠歌

南無薬師 諸病なかれと 願いつつ、 詣れる人は おおくぼの寺

薬師如来様、どうか、病気になりませんようにと、願いながら、大窪寺にお詣りします。





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